茅葺屋根が目をひくEARTH MARTの外観

食を通して、いのちを考える

シグネチャーパビリオン「EARTH MART(アースマート)」は、私たちが当たり前のように行っている「食べること」「消費すること」について、新たな視点を投げかけてくれます。
スーパーマーケットを模した空間に一歩足を踏み入れると、そこには私たちの選択が地球環境や人々に与える“本当の代償”が、お金ではなく環境負荷や社会的影響として提示されています。

フォトスポットとしても人気の「巨大な卵のシャンデリア」

環境コストがわかるはかり

展示の中でもひときわ目を引くのが、訪れた人たちに人気の「卵のシャンデリア」。なんと、日本人が一生に食べる卵の平均数(約28,000個)を表現しています。これは世界で2番目に多い量なのだそうです。
さらにユニークなのが、体験型のデジタルはかり。商品をのせると、重さではなくその食品の背景にある自然と人の営みの物語がアニメーションによって表示されます。食べ物の「重さ」ではなくいのちの「重さ」を感じる体験です。

世界の家庭の「1週間の食卓」を比べてみよう

壁には、世界各国の家庭が1週間に買う食料品の写真がずらり。最も根源的で最も古い歴史をもつ「食べる」という行為の現在(いま)を、「ファミリー」と「グローバリズム」という二つの側面から、視覚的に体感できます。私たちが当たり前に食べている量は、本当に必要なものなのでしょうか?そんな問いが自然と生まれてきます。
次の展示室では、サステナブルな農業やフードテックなど、地球の食の未来を守るための革新的な取り組みが紹介されています。たとえば、冷凍とお米を掛け合わせた驚きの発想。さまざまな食材や料理を凍結粉砕しパウダー化したうえで、米粒の形に再成形した“再生米”が展示されています。
サラダ味やパエリア味、トマト味の「お米」を、あなたは食べてみたくなりますか?

未来の食を支える技術とアイデア

世界に伝えたい「EARTH FOODS」

パビリオンでは、「EARTH FOODS」として選ばれた25種類の日本の食材・食品も紹介。これらは、食の未来をより良くするため世界に共有したい日本発の食の知恵。日本が誇る“次世代の食”を、ぜひ体感してください。

EARTH MARTを訪れたあなたが手にするのは、買い物袋ではなく、「人間一人のいのちを紡ぐ為に、どれだけの他のいのちや自然の助けが必要なのか?」「自分の選択は、未来を変えられるだろうか?」といった気づきや問いかもしれません。

万博に訪れたら、ぜひEARTH MARTで、目を開かれるような、そしてちょっと考えさせられる体験をしてみてください。

「食」を感じる暖簾の入口

2050年まで漬ける梅干し「万博漬け」