Osaka,KANSAI,JAPAN EXPO2025 Design System Ver.1.0 公開Osaka,KANSAI,JAPAN EXPO2025 Design System Ver.1.0 公開

Osaka,KANSAI,JAPAN EXPO2025 Design SystemOsaka,KANSAI,JAPAN EXPO2025 Design System

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会では、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に活用するための「EXPO 2025 Design System」を策定しました。
このデザインシステムは、万博のさまざまなインターフェースを統一し、アナログ・デジタルの境界線を超えて一貫した体験を提供することを目的としています。EXPO 2025 Design Systemの提供する体験を通じ、万博がより多くの人々に愛されるものになることを願っています。

デザインポリシー

  1. 1

    いのちを表現する
    「生きた」デザインシステム

    万博のデザインシステムは、生き物のように成長し、進化する構造を持っています。万博テーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を体現するためには、スタティック(静的)ではなく、ダイナミック(動的)な要素のある「生きた」デザインシステムが必要だという想いから、この構造を採択しました。

  2. 2

    アナログとデジタル、現実と仮想の
    境界を横断する、一貫したブランド体験

    ホリスティックな視点で、一貫性をもったブランド体験を設計します。本万博は、現実の空間と同時に、
    バーチャル空間にも会場を持ちます。平面や映像、グッズのようなリアルの要素はもちろん、
    AR(Augmented Reality=拡張現実)、VR(Virtual Reality=仮想現実)といったバーチャル空間においても、
    同じ万博というブランドを体験できるよう配慮されています。

  3. 3

    未来のデザインのあり方を
    問いかける、
    実験性と革新性

    ルールとしてのデザインから、問いかけるためのデザインへ。本万博のテーマは、「未来社会の実験場」。
    デザインシステムもまた、未来のデザインのあり方を問いかけるような実験性と革新性をもっています。
    アルゴリズムを用いるなど、テクノロジーを活用し、人と機械が共創するデザインプロセスを採択しました。
    このデザインシステムは今後、ソフトウェアのようにアップデートされていきます。

  4. 4

    大阪・関西万博らしさをもった
    エネルギーとユニークネス

    1970年大阪万博のシンボルである『太陽の塔』は、過去・現在・未来を貫いて生成する万物のエネルギーを
    象徴しています。こうしたダイナミックなエネルギーと、大阪や関西が持つ遊び心を忍ばせたデザイン
    システムを目指すことで、新たな「大阪・関西万博らしさ」を構築します。

  5. 5

    参加と共創をうながす
    プラットフォームとしての

    「開かれたデザイン」

    「個のいのち」をシンボライズするIDと、「多様ないのち」が共創する未来をシンボライズしたGROUPという
    デザインエレメント。このIDとGROUPは、開かれた仕組みとなる可能性をもったシステムとして
    設計されています。デザインの中に「余白」を残すことで、拡張性を担保し、多くの人々へ参加と共創を
    うながしていきます。

デザインプロセス

人とテクノロジーが共創する
未来のデザイン

今回のデザインシステムは、「未来における人間とテクノロジーの共創」のあり方を問いかけるため、人の手による要素と、テクノロジーによる要素を組み合わせて設計されました。ロゴのモチーフでもあるCELL(細胞)が生まれ、そのCELL(細胞)が分裂や増殖を繰り返し、いのちが成長し、進化していく。こうした生命システムのあり方をビジュアライズするため、まずはアルゴリズムを設計しました。このデザインシステムは「バーチャル万博」のような仮想空間にも適用できる3Dの造形と、平面上のデザインとして展開される2Dのフラットなルックを同時に実現することができます。また、テクノロジー要素のみでデザインを完結させるのではなく、あえて人間のデザイナーがパラメータを調整したり造形を選定したりといった最終調整を行うことで、人間の意思が介入したデザインプロセスを実現しました。人と機械、双方が関わり合う余白をもった、共創的なデザインプロセスです。

コンセプト

大阪・関西万博のデザインシステムが表現しているのは、「はじまりも終わりもない時と、いのちの流れ」です。私たちの日々を彩る多様な生は、ひとつの中心をつくるのではなく、あるときはつながり、あるときは離ればなれになりながら、決して画一化されることのない「いのちの輝き」を教えてくれます。異なるものが融け合い、響き合うことで生まれる美しさは、私たちを新しい未来へと導いてくれるでしょう。

日本では古来より、あらゆるものに「いのち」が宿ると考えられてきました。人間や動物はもちろん、昆虫や石ころ、米粒、河原に落ちる一枚の葉まで。この世界観を現代に拡張するならば、AIやバイオ技術など、テクノロジーによって生み出される存在もまた、新しい「いのち」としてとらえることができます。私たちはいま、膨大な「いのち」に囲まれた世界の中で、個人としても、社会の一部としても存在しています。ひとつであると同時に、全てでもある。こうした考え方を表現するため、部分としても全体としても成立するようなデザインシステムを採択しました。
高度にネットワーク化した現代において、つながりは日々、強化されていきます。その一方で、過剰なつながりを拒絶するかのように、分断や対立も加速しています。紛争や格差といった人間同士の分断だけではなく、環境破壊や感染症など、人間と自然とが折り合えなくなる側面も増えています。また、肥大化する社会システムと人間との関係性も、危うい状態にあると言えるでしょう。

こうした緊張関係をほどく鍵は、循環にあると考えています。すべてにつながるのでもなく、すべてが隔てられているのでもない。出会ったり別れたりしながら変化し続けるいのち。そして、循環し続けるいのちがやがて融け合い、混沌の中から新たなものが生まれてくる。このデザインシステムが示すのは、自然中心でも、システム中心でも、人間中心でもなく、「いのち」が輝き循環する、生命中心の未来です。

デザインエレメント

「EXPO 2025 Design System」を構成するデザインエレメントは、大きく三つの要素から設計されています。個のいのちを表す「ID」、複数のいのちからなる共同体を意味する「GROUP」、そして多様ないのちが共生する生態系を表現する「WORLD」です。これらの要素は、本万博のロゴマークを形づくる基本的な考え方である「CELL(細胞)」の概念と連動するものとして採択されています。ID、GROUP、WORLDという三つのエレメントは大阪・関西万博のコンセプトを表現する装飾的な役割はもちろん、今後の幅広い展開を可能にする機能的な役割も考慮して設計されました。

  • IDID
  • GROUPGROUP
  • WORLDWORLD

ID

成長し、進化する
「個のいのち」

デザインエレメントの最小単位である「ID」は、
主に「個」を表現する際に活用される要素です。

このIDは、「個のいのち」を象徴しており、
いのちの成長段階に合わせて
さまざまな形に変化します。

原初の細胞である状態(Lives)、
成長する段階(Growth)、
多様ないのちの形へと
進化するフェーズ(Evolution)、
いのちが辿るそれぞれのプロセスが
デザインされています。

GROUP

異なるいのちが集い、
未来を共に生み出すための
「共同体」

共同体を示す
デザインエレメントの「GROUP」は、
色や形の異なるIDの集合体です。

このGROUPは大阪・関西万博の
重要な要素である「未来社会の共創」を
シンボライズしており、
共同体が「未来社会をデザインする」ための
各プロセスが表現されています。

異なる個性が出会い(Join)、
心を開き話し合い(Sync)、
未来へと共に動きはじめる(Act)。
個と個がオープンにつながることで
アイデアが生まれ、より良い未来をつくるための
変化を起こしていきます。

WORLD

多様ないのちが融け合い、
響き合う生態系

未来の生態系をシンボライズした
デザインエレメント「WORLD」。
私たち一人ひとりの目にうつる世界が
多様であるように、このエレメントもまた
様々な表情を持っています。

一枚の大きなコアグラフィックを
自在に切り取ることで、
無数のアプリケーションへと
展開することができます。

また、WORLDの見え方も一つではありません。
Inochi、Umi 、Noyama、Hikariという
四つの情景を備えています。
違う景色や色彩を見ながらも、
同じ世界を目にしている、そんな私たちの日々を
祝福したいという想いが込められています。

  • InochiInochi
  • UmiUmi
  • NoyamaNoyama
  • HikariHikari

Primary Color InochiPrimary Color Inochi

InochiInochi
InochiInochi

メインのコアグラフィックである「Inochi」は、次々と細胞分裂を繰り返し、成長するいのちを表現しています。CELL(細胞)をイメージしたプライマリーカラーによって構成されており、いのちの躍動や輝きを伝えます。

トリミングによる展開イメージ
  • Inochi トリミングによる展開イメージ1
  • Inochi トリミングによる展開イメージ2
  • Inochi トリミングによる展開イメージ3

Secondary Color UmiSecondary Color Umi

UmiUmi
UmiUmi

海中の鮮やかないのちが調和する様子を描いた「Umi」。海底でゆらめく海藻や、輝く鱗の海水魚、紺碧の海、波打ち際の淡いブルー。海そのものが一つの大きな生命体として機能している様子を表現しています。

トリミングによる展開イメージ
  • Umi トリミングによる展開イメージ1
  • Umi トリミングによる展開イメージ2
  • Umi トリミングによる展開イメージ3

Secondary Color NoyamaSecondary Color Noyama

NoyamaNoyama
NoyamaNoyama

その名の通り「野山」を表すコアグラフィックです。野原に芽吹く若葉や、山を染めあげる新緑、谷間を流れる澄んだ水の淡青。野山を彩るいのちの美しさをイメージしたサブカラーで構成されています。

トリミングによる展開イメージ
  • Noyama トリミングによる展開イメージ1
  • Noyama トリミングによる展開イメージ2
  • Noyama トリミングによる展開イメージ3

Secondary Color HikariSecondary Color Hikari

HikariHikari
HikariHikari

光のエネルギーが生み出すいのちの生態系を表現した「Hikari」。夜明けの光や、木の葉の上にこぼれる太陽の光、燃えるような夕焼。私たちを取り巻く様々な光の力強さを表現しています。

トリミングによる展開イメージ
  • Hikari トリミングによる展開イメージ1
  • Hikari トリミングによる展開イメージ2
  • Hikari トリミングによる展開イメージ3

公式ロゴマークとの
組み合わせ

公式ロゴマークとの組み合わせイメージ1 公式ロゴマークとの組み合わせイメージ2 公式ロゴマークとの組み合わせイメージ3

WORLDのコアグラフィックと公式ロゴマークの組み合わせは、多様な展開に活用することを前提に設計されています。懸垂幕やグッズはもちろん、Webや映像など様々な場面で組み合わせて使用することで、躍動感を高め、祝祭性をもった晴れやかなムードを生み出します。

制作者

グループ名
1→10(ワントゥーテン)
作者(代表者)
引地 耕太(ひきち こうた)
生年
1982年生
職業
クリエイティブディレクター
/ アートディレクター
グループメンバー
尾谷 真希子 / 西村 彩花 / 長井 健一
/ 堂園 翔矢 / 岩木 伊織