CO2を効率よく吸収する液体と、マイナス160℃以下の極低温を活用する新方式のCO2回収装置(DAC)をご覧いただきます。
会場のカーボンリサイクルファクトリー RITE*施設内の展示ブースでは、独自のCO2吸収液と、低温を用いた装置による大気中CO2の回収試験を行います。
回収されたCO2が低温によってドライアイスになる様子をご覧ください!
*公益財団法人 地球環境産業技術研究機構
極めて困難な大気中からのCO2回収
大気中のCO2濃度は、現在上昇しているとはいえ、約400ppm(100万分の400)です。言い換えれば、大気中の分子1万個のうち、CO2分子はたった4個です。
CO2を除去するためには、CO2を地中に埋めたり、他の物質に変換したりする必要があります。
そのためには、CO2を濃縮し、できるだけ純度の高いCO2として回収する必要があります。1万個の粒の中から4つを探し当てて、分離することは極めて困難なことです。
捨てられている「冷熱」の活用
空気中からのCO2回収という困難な開発に対し、我が国が年間7,500万トン輸入している液化天然ガス(LNG)の「冷熱」(低温)に着目しました。通常、LNGは約-160℃の液体にして受け入れ基地へ輸送され、気体に戻されます。その際に発生する冷熱の多くは海に捨てられますが、この冷熱で気体のCO2を封じ込めた容器を冷却すると、CO2は徐々にドライアイス(固体)へと姿を変え、容器内の圧力は下がります。
この原理を利用し、CO2を吸収した液体の入った容器の中をLNGの冷熱を使って減圧すると、CO2吸収液からCO2が飛び出し、ドライアイスとして集めることができるのです。