プレスリリース

2021.12.02 夢洲における実証実験公募の実施第3号が「超軟弱地盤における「NSエコパイル®」打設・引抜きおよび「カルシア改質材」による支持力改良に関する実証実験」に決定

―当協会と「実証事業推進チーム大阪」が、実施を支援―

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会と大阪商工会議所が、万博開催の機運醸成と未来社会を見据えたイノベーション創出に向けて実施した、夢洲における実証実験公募で採択された、日本製鉄株式会社(以下、「日本製鉄」)による超軟弱地盤における「NSエコパイル®」打設・引抜きおよび「カルシア改質材」による支持力改良に関する実証実験が、2021年12月2日(木)から開始されます。 
本実証実験は、今回の公募で採択された9案件のうち、3番目に実験を始めるものとなります。
また実施にあたり、当協会と大阪府、大阪市、大阪商工会議所で構成する「実証事業推進チーム大阪」(以下「チーム大阪」)が支援を行います。

○ 今回実施する、超軟弱地盤における「NSエコパイル®」打設・引抜き実験では、日本製鉄が開発した「NSエコパイル®」を夢洲内に打設、一部は長期間残置した後に引抜きを行い、埋立地盤における施工の可能性や鋼管杭自体の再利用の可能性を検証します。「NSエコパイル®」は、鋼管の先端にらせん状に加工した羽根を溶接した鋼管杭で、羽根の効果により、地盤等への杭の押込み・引抜きを効率的に実施できます。小型杭打機で打設可能であり、大型杭打機を活用する従来工法に比べ、構造物の基礎工事の低コストかつ短工期での実現を目指しているほか、無排土で施工が可能なことから、基礎工事における「リサイクル・ゼロエミッション」を推進する地球にやさしい工法として期待されています。

○ また、カルシア改質材による支持力改良に関する実証実験では、万博会場予定地の造成工事で発生した軟弱土にカルシア改質材を混合し、数か月を経た後の支持力を検証します。カルシア改質材は、製鉄時に生成する副産物の鉄鋼スラグ(鉄鉱石から鋼を作り出す還元・精錬段階で生まれるシリカなどの鉄以外の成分が、石灰と溶融・結合したもの)を原料として成分管理と粒度調整を施して製造した土質改良剤で、軟弱土に混合すると、強度増強や水中投入時の濁り抑制効果が得られます。なお、実証実験は、大型作業船が入れない浅水域での実用化も見据えて実施します。

○ 今回の実証実験は、2025年大阪・関西万博の会場である夢洲における実証実験の公募に寄せられた39件の提案の中から採択され、実証実施候補者となった9件の提案の一つで、実証実験の円滑・効果的な実施のためチーム大阪に推薦され、チーム大阪が、実験内容や実験場所等の協議・調整などの実験実施に向けた支援を行っています。

○ 夢洲における実証実験公募の、他の実証実施候補者の提案についても、チーム大阪が順次実施に向けた調整を実施し、今後、それらの案件の実証実験スケジュールなど実証実験の詳細について決定次第、当協会とチーム大阪が共同で発表する予定です。

実施概要

日時:2021年12月2日(木)~2022年7月末頃
場所:夢洲万博会場予定地
実施主体:日本製鉄株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 橋本英二氏)

添付資料

資料:「夢洲における実証実験公募」実験開始状況について

問合せ先

●本実証実験に関すること
大阪商工会議所 産業部(野間、瀧本、吉村)
TEL:06-6944-6300