プレスリリース

2025.12.25 大阪・関西万博におけるEXPO2025デジタルウォレットの成果について

 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、来場者向けアプリサービス「EXPO2025デジタルウォレット」の成果を取りまとめましたので、下記のとおりお知らせします。
「EXPO2025デジタルウォレット」では、国内外の来場者に万博ならではの特別な体験を提供しただけでなく、ブロックチェーン基盤のトークンとの相互交換サービスなど先行的な金融サービスの取り組みの実証、デジタル資産の活用を通じた観光施策など多様なユースケースの創出などにより、サービス全体で登録者数約80万人(累計100万ダウンロード)を達成いたしました。
利用者アンケートでは、7割超の来場者にWeb3の体験を提供、約5割の利用者がデジタル資産について魅力的なサービスと評価と関心を示したほか、デジタルウォレットの各サービス活用を通じて「現金を使わなくなった」「イベントに積極的に参加した」等の行動変容が生まれたことが示されました。

EXPO2025デジタルウォレットの成果

1.全体:Web2・Web3連携サービスの定着・拡大
 電子マネー、ポイントのサーバー型(Web2)サービスとNFT※1・SBT※2などのブロックチェーンを活用したWeb3サービス※3を、シームレスに実装しました。
<実績>※2025.10.31現在
登録者数:769,929件、ダウンロード数:1,032,426件(100万ダウンロード達成) 

※1 NFT(Non-Fungible Token):ブロックチェーンを基盤にして作成された代替不可能なデジタルデータ
※2 SBT(Soul Bound Token): NFT技術を活用して改ざんされず、かつ他人に譲渡することもできないデジタルデータ
※3 Web3サービス:Web3サービスでは、ブロックチェーンを活用することにより、利用者はNFT・SBTを自分のウォレットに直接所有できる。これらのデータはブロックチェーン上でウォレットアドレスに紐づいて公開されるため、特定の運営事業者に依存することなく、永続的に保持・参照することが可能。この仕組みにより利用者は、獲得したコレクションや来場証明・体験履歴を自治体や企業等の他のサービス事業者が展開するキャンペーン等にも横断的に活用できる。一方、サービス事業者は、利用者のウォレットアドレスを参照するだけで、追加の開発を行わずにパーソナライズされた誘客施策や優待の提供が可能になる。

2.ミャクペ!(決済) × ステータス × 特別体験の提供によるサービスの高付加価値化
【運営事業者:SMBCグループ】
 電子マネー利用に応じて7段階のステータス設定(例:レジェンド、ゴールド等)を行い、万博限定体験や特典を提供(ミャクミャク リワードプログラム)。「支払う」ことがステータスの獲得や体験拡張につながる、新しいロイヤルティ体験を実装しました。
<実績>※2025.10.14現在
登録者数:304,805人(レジェンド:22,808人、ダイヤモンド:21,306人、プラチナ:63,767人、ゴールド:55,964人、シルバー:38,816人、ブロンズ:19,574人、スタンダード:82,570人) 

3.ミャクポ!(ポイント)と利用者の行動変容
【運営事業者:りそな銀行】
 利用者の健康づくりやイベント参加などの行動をポイントで可視化し、万博独自の特典と連動。ポイントを通じて、楽しみながら行動が変わる仕組みを実装しました。
<実績>※2025.10.14現在
登録者数:172,946人 ポイント交換数:40,625,550ポイント 

4.Web3のブロックチェーンを活用したNFT・SBTのユースケース創出
 万博において、ブロックチェーン技術により改ざん不可能な唯一無二のデジタル資産を活かして日本版Web3サービスの新しい可能性を実証しました。

〇ミャクーン!(NFT)【運営事業者:SBIホールディングス株式会社】
万博会場内の限定のパビリオン等のデジタルスタンプや地域限定のデジタル資産として、NFTをコレクションする楽しさを提供しました。また、ミャクーン!は2025年9月16日にギネス世界記録™「単一イベントにおけるNFT画像の最多発行数」として認定されました。
<実績>※2025.10.14現在
登録者数:397,981人 NFT発行数:10,622,441枚  

〇事業連携サービス(SBT)
 【運営事業者:株式会社HashPort】
 ブロックチェーン上でSBTを発行することにより、従来のスタンプラリーやアプリでは実現できなかった「譲渡不可で信頼性の高いデジタル証明」をユーザー自身が保持でき、地域・企業・イベントを横断して一つのWeb3ウォレットに来訪・体験履歴を蓄積できます。この機能により、利用者ごとにリピーター認定やコンプリート証明といったパーソナライズされた特典付与が可能となり、さらに様々な自治体や企業との連携事業を通じて、SBTを活用した観光やイベントサービスの新たなユースケースを多数創出しました。
 また、運営事業者が自治体や企業等の協力者がノーコードでSBTを設定・発行できるツールを開発したことにより、協力者の目的やデザインを反映した多様なSBTを手軽に発行できるようになり、その結果、SBTの発行数は飛躍的に増加しました。
  <実績>※2025.10.14 現在
連携パビリオン、協力機関、自治体、企業等:約170  
SBT発行数:5,924,323枚 

・SBTを活用した観光ユースケースの具体例について:【PDF形式:1.97MB】

5.EXPOトークンと電子マネー、ステーブルコイン(USDC)、既存ポイント交換の実証
 【運営事業者:株式会社HashPort】
 ブロックチェーン基盤のEXPOトークンを用いて、電子マネー、既存ポイント、ステーブルコイン(USDC)との相互交換を先行的に実証しました。

・EXPOトークンの実証について:【PDF形式:691KB】

6.総括
 上記の成果を通じて、デジタルウォレットは、国内外の来場者に万博ならではの特別な体験を提供しただけでなく、NFT、SBTを活用した自治体、企業等との連携のユースケースの創出やトークンを活用した新たな金融サービスの推進など、日本版Web3デジタルサービスの発展の可能性を示しました。

EXPO2025デジタルウォレットの利用者アンケート結果

・アンケート結果:【PDF形式:847KB】
 サービス活用を通じて「現金を使わなくなった」「イベントに積極的に参加した」等の行動変容が生まれたほか、ブロックチェーン技術を活用したNFTや事業連携サービスのSBTにより、7割超の来場者が万博で初めてWeb3を体験するなど、来場者にWeb3体験の「最初の一歩」を提供したことが明らかとなりました。

ご参考

▽ EXPO2025デジタルウォレットについて
https://www.expo2025.or.jp/digitalwallet/
金融サービス(Web2)とブロックチェーンを活用したWeb3サービスが一体となったアプリです。

▽ SBIVCトレード株式会社プレスリリース
「EXPO2025デジタルウォレットのWeb3後継サービスの実証構想について」
URL:https://www.sbigroup.co.jp/news/2025/1225_15995.html

(企画局)