日本の国石 ヒスイ(翡翠)って知ってる?静けさの森でヒスイの原石に会おう!

静けさの森にヒスイの原石が展示されていることをご存知ですか?
今回は、その「ヒスイ」についてご紹介します。

ヒスイは、東洋を代表する宝石として、古くから人々に愛されてきました。日本や中国だけでなく、遠く離れた中南米のインカ文明やオルメカ文明でも使われていたんです。時代も場所も違うのに、同じように大切にされていたなんて、なんだか不思議でロマンを感じますね。
そんなヒスイが生まれるのは、地球の“沈み込み帯”と呼ばれる場所。数億年前、海の底だった海洋プレートが、大陸プレートの下に沈み込む場所で、ヒスイが誕生しました。このような地質条件がそろう場所は限られていて、ヒスイはとても希少な宝石なんです。

ヒスイといえば、鮮やかな緑色を思い浮かべる方が多いかもしれません。でも、実は純粋なヒスイは白色なんです。石に含まれる微量な成分の違いによって、緑や青、薄紫、黒などの色のヒスイが生まれます。自然がつくり出した様々な色のヒスイは、まるで芸術作品のようです。
さらに、ヒスイは他の石よりも重く、触るとひんやりと冷たく感じることから、古代の人々は「神秘的な力を持つ石」と信じていました。特に緑色は、草木が芽吹く色として「命」や「長寿」を象徴するとされています。

そして今回、万博で展示しているのは、新潟県糸魚川市のヒスイです。このヒスイは、なんと約5億年前に誕生したもので、世界でも最古級のヒスイのひとつ。しかも、東アジアで唯一、宝石品質の「硬玉(ジェイダイト)」が採れる場所なんです。
ぜひ、静けさの森で探してみてください!

サイズ:1,200mm×1,400mm×1,200mm
重量:4,800 kg

サイズ:1,300mm× 900mm×1,000mm
重量:2,100 kg

糸魚川のヒスイは、日本人の祖先とされる縄文人たちが約6,500年前から使い始めました。最初はハンマーなどの道具として、やがて勾玉(まがたま)などのジュエリーへと進化していきます。これは、世界でも最古級の「ヒスイ文化」とされており、日本の歴史と深く結びついているんです。
さらに、三種の神器のひとつ「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」も、糸魚川産のヒスイで作られたと考えられています。神話の世界にも登場するこの勾玉が、実際に日本の大地から生まれた石であると思うと、なんだか胸が熱くなりますね。

万博では、この糸魚川のヒスイを間近でご覧いただけます。ぜひ確かめてみてください。

プレスリリース|「静けさの森」及び「迎賓館」における新潟県の石「ヒスイ」の展示について