万博のおしごと 倉庫作業スタッフ

大阪・関西万博では、毎日約19,000人がスタッフや関係者として万博会場を訪れています。
「万博会場で見かけたあのスタッフさんは、毎日どんなことをしているの?」「19,000人って何をしている人たちなの?」といった視点で、万博を支える人たちの「おしごと」の一部を紹介します。

大阪・関西万博の倉庫作業スタッフってどんなおしごと?

大阪・関西万博では、毎日多くの食材が会場内のレストランに運ばれたり、海外の貴重な展示物がパビリオンに届けられたりしています。会場内でたくさんの荷物を効率よく運ぶために、万博専用の倉庫が会場内に設置されています。倉庫内では、毎日7時から19時まで計6名の倉庫作業スタッフがシフト制で働いています。依頼のあった時間に商品を運ぶため、倉庫作業スタッフは倉庫内の商品をトラックに積み込む出庫作業や、会場外から運ばれた商品を受け取り倉庫内に保管する入庫作業を行います。

倉庫作業スタッフの1日のスケジュール 7時から15時勤務の場合

7時 出勤

  • 出庫作業
    前日に準備した出庫予定商品を、フォークリフトを操縦してトラックに積み込みます。

10時

  • 入庫作業
    フォークリフトを操縦して、トラックから商品をおろし、決められた場所に商品を納めます。商品の種類によって、常温倉庫とプラス5度の冷蔵倉庫、マイナス 25度の冷凍倉庫に分けて保管します。冷蔵(冷凍)庫ごとトラックに積み込める「移動式冷蔵(冷凍)庫」も準備しています。

11時 休憩(1時間)

14時30分

  • 翌日の出庫準備
    利用登録をしている企業やパビリオン等からの依頼を、専用システムでAIが集約し、ピッキングリストを自動で作成します。リストには倉庫内の棚に振り分けられたアドレスが記載されており、指定された場所から商品を取り出すことにより、誤出荷を防ぎ、在庫管理を簡単にしています。 倉庫作業スタッフはリストに基づいて商品を取り出し、パレットの上に積んでおきます。フォークリフト以外にハンドリフトを使うこともあります。
  • 庫内の清掃や整理整頓
    出庫作業や入庫作業の合間を見て、倉庫内を掃除したり、より使いやすいように商品の棚移動をしたりします。

15時 終業

倉庫作業スタッフのお仕事について聞きました!

Q おしごとをしていてうれしかったことは?

  • 初めて経験することが多く、将来、良い思い出になるだろうな、と思います。
  • 計画どおりにいかないことも多いので、「あるもので工夫する」ことができるようになりました。

Q おしごとをしていて大変なことは?

  • 開幕当初は、言葉が通じない外国の方とのコミュケーションに苦労しました。
  • 文化の違いからか、約束した時間に相手が不在だったり、冷凍の商品を届けても先方の保管場所のスペース不足で持ち帰ったりすることがありました。
  • リング内にある踏切の開閉時間にあわせて会場内を走るトラックの配送スケジュールを変更しなくてはならない等、万博会場ならではの状況があります。
  • ふだん物流に関わっていない方が届け先の担当者だった場合、より丁寧に説明しています。

Q 万博への思いを教えてください。

  • 国家プロジェクトに携わることが出来て光栄です。もっと長い間楽しむことができたらいいのにと思います。
  • 普段の生活では味わうことのできない体験をしました。今後の業務に役立てたいです。
  • 新しい出会いがありました。また恥ずかしながら初めて知った国もありました。万博に感謝!
  • 万博の準備から運営の一端に携わることができたのは、一生の誇りです。これまで関わってきた方には感謝しかないです。

カウンターリフト(座って操縦するフォークリフト)での出庫作業の様子。事故が無いよう必ず他のスタッフも立ち合います。
リーチリフト(立って操縦するフォークリフト)で冷凍庫から荷物を取り出す様子。冷凍庫内にはいろんな食材が保管されています。
ミャクミャク模様のハンドリフト(手押しで操縦するリフト)。うまく動かすにはコツが必要。

※担当事業者へ2025年9月に取材した内容をもとに、記事を作成しています。