万博のおしごと 公式記録撮影チーム

大阪・関西万博では、毎日約19,000人がスタッフや関係者として万博会場を訪れています。
「万博会場で見かけたあのスタッフさんは、毎日どんなことをしているの?」「19,000人って何をしている人たちなの?」といった視点で、万博を支える人たちの「おしごと」の一部を紹介します。

大阪・関西万博の 公式記録撮影チームってどんなお仕事?

大阪・関西万博では、それぞれ工夫を凝らしたパビリオンや、日本ではなかなか観る機会のない海外の伝統的な音楽や舞踊、先駆的な技術を駆使した製品の展示等、見所がいっぱいです。公式記録撮影チームは、公式式典を始めとする行事はもちろん、万博会場内の風景や施設の様子、人々の表情などをカメラに収め記録しています。撮影チームは、主にパビリオン等に撮影許可をとる渉外担当、現場で写真を撮るカメラマン、現場でカメラマンに指示をするディレクターの3名で構成されています。その日開催される公式行事やイベント等の開催予定にあわせてスケジュールを組み、多い時では1日に10件程度、撮影しています。
※撮影された公式記録は、データとして保存し、メディアへの提供や大阪・関西万博の実施内容、成果、意義を後世に伝え継承をするための活動に活用しています。また、「公式記録集」、「公式記録写真集」、「公式記録映像集」にも収録されます。

公式記録撮影チーム それぞれの役割 

渉外担当

  • 毎日数多く開催される行事やイベント等から、撮影する対象を選んで撮影スケジュールを立てます。事前にパビリオンやイベントの様々な関係者に許可をとり、当日の情報を得てカメラマンやディレクターに伝えます。パビリオンの担当者等から得た情報をもとに有意義な撮影ができたり、イベント会場で担当者に撮影の相談をしたりすることもあるので、各担当者と良い関係を築けるよう心掛けています。

カメラマン

  • 毎日1~2名のカメラマンがありとあらゆる「万博」の姿を映しています。多くの来場者に混じって周囲に配慮しながらの撮影や、一瞬たりとも見逃せない緊張感あふれる場面の撮影が続きます。公式式典等では、要人のスピーチ等、撮影するシーンが予め決まっているものもありますが、スピーチ後の文化プログラムは事前に詳細がわからず撮影に挑むことも多いです。

ディレクター

  • カメラマンと同行し、事前に想定した写真のイメージや撮影の意図を伝えて、カメラマンが撮影しやすいようフォローします。事前に聞いていないことが起こることもあり臨機応変な対応が求められます。

公式記録撮影チームのお仕事について聞きました!

Q おしごとをしていてうれしかったことは?

  • 工夫を凝らした衣装を着た来場者に撮影を依頼したら、素晴らしい笑顔で喜んでくださいました。その方の笑顔にパワーをもらいました。
  • ある海外パビリオン主催のイベントに撮影で伺ったところ、パビリオンのデザイナーがとても歓迎してくださいました。日本ではなかなか発信されない国の情報も、万博を機会に広く知れ渡るのは良いことだと思います。
  • 仕事を通して各国の担当者と築いたネットワークは財産です。
  • 苦労して撮影した写真をメディアが取り上げ報道された時には、やはりうれしいかったです。

Q おしごとをしていて大変なことは?

  • 海外の方は積極的な方が多いですが、日本の方は中には写真に写りたくない方もおられます。撮影前にはどのような写真か、写っても大丈夫か等説明します。
  • 国によって文化や習慣の違いがあるので、撮影時には失礼のないよう気を付けています。
  • パビリオンの展示物には出展者の思いが込められていますので、展示物には極力触らないようにしています。どうしても撮影のために動かさないといけない時には、必ず少しの移動でも出展者に確認しています。
  • 展示の仕掛けや演出の意図が理解できていなくて、後から創り手の意図に気づいて撮り直すこともあります。
  • 撮影のためにどうしても来場者のみなさんの前に立つこともあります。「じゃまだなあ」という声が聞こえることもありますので、できるだけみなさんの視界を遮らないよう、撮影位置に気を付けたり、速やかに撮影を済ませるようにしたりしています。
  • 万博には国内外のいろんな方が関わっているので、一つの撮影を行うにも、確認する事項や相手先が多く、時間がかかってしまうこともあります。

Q 万博への思いを教えてください。

  • 特に子どもたちには万博を体験していただきたいです。これまで見たことがないものを観て、心の琴線に触れるものを見つけて、これからの選択肢を増やしてほしいですね。
  • これまで万博に3年間関わってきて、批判もありましたが、これだけのたくさんの来場者の姿を見ると、反響の大きさを実感します。
  • いろんな国の人同士が仲良くしている姿を見られるのがすてきだな、と思います。
  • 3才の時に体験した1970年の万博の記憶があります。多感な時期にぜひ万博を体験していただきたいです。
  • 普段はあまり関心が向かないようなテーマの展示でも、子どもや若い人が真剣に観る機会を得られるのも万博の良さだと思います。
  • 万博のすばらしさをどう残していくか、30年後、50年後の未来に大阪・関西万博を語り継げるよう記録していきたいと思います。

撮影現場でも写真のイメージを確認します。会場内の様子もしっかり把握しておきます。
演奏を妨げないよう、観客の視界を阻まないよう気を付けながら撮影するカメラマン。
リング上を歩く来場者の姿がシャインハットの壁面に影絵のように映る様子を見つけました。このような会場内のちょっとした風景も撮影します。

この時に撮影した写真はこちら!

※公式記録撮影チーム(スチール班)担当事業者へ2025年9月に取材した内容をもとに、記事を作成しています。