プレスリリース

2024.04.11 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)催事施設の愛称が決定

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)でイベントを行う4つの催事施設の愛称を、公募により決定しましたのでお知らせします。
催事施設の愛称は、万博催事への期待感を高め、機運醸成に貢献する目的で、2023年11月29日から12月28日の期間で募集を行いました。期間中に応募いただいた1,596作品の中から、形式要件を満たしたものについて選考委員による1次、2次選考を実施したのち、日本語および外国語における意味のチェックや商標調査を経て、選考委員による最終選考会を行い、以下の通り最優秀作品を決定しました。
なお、本愛称は来場者に対する情報として、会場MAPやイベント情報の会場名などで、愛称を表記することを予定しています。

施設愛称 

※日本語は「正式名称「愛称」」、英語は「正式名称 “愛称”」の形式で表記

・EXPO ホール「シャインハット」(英:EXPO Hall ”Shining Hat”)
・EXPO ナショナルデーホール「レイガーデン」(英:EXPO National Day Hall “Ray Garden”)
・EXPO アリーナ「Matsuri」(英:EXPO Arena “Matsuri”)
・EXPO メッセ「WASSE」(英:EXPO Exhibition Center ”WASSE”)

▽EXPO ホール「シャインハット」

■愛称コンセプト
「黄金に輝く円形の大屋根」から、外観も踏まえてshine(シャイン)・hat(ハット)と着想。
来場者が一目見て施設とその愛称が一致させられることを意識した。
(最優秀作品受賞者 ハンドルネーム:たんてん 東京都)
■施設概要
・黄金に輝く円形の大屋根と、荒々しい表情の壁面が大地から立ちあがる力強い姿で1970大阪万博の「太陽の塔」を連想させる、会場全体のシンボル
・客席・舞台が一体となった円形劇場は、質感ある純白の布地で包まれた「いのち輝く未来」を象徴する祝祭空間
・延べ面積8,400㎡、客席数約1,850席

▽EXPO ナショナルデーホール「レイガーデン」

■愛称コンセプト
空中デッキやガラス張りの建築、象徴的な造形のホールには古代から現代、未来までをつなぐ「光」が差し込んでいる「庭」をイメージさせる愛称。
(最優秀作品受賞者 ハンドルネーム:ひろあき 千葉県)
■施設概要
・公式参加者の催しが開催される国際交流の拠点
・古代から国際交流のゲートであり続けたこの場所の海や大地との関係をセレブレートする、生命のような建築
・複数の帯状のスラブが織りなす屋外の広がりと、屋内の催事の場が入り混じる、生き生きとした環境
・延べ面積4,400㎡、ホール客席数約500席

▽EXPO アリーナ「Matsuri」

■愛称コンセプト
日本の伝統的な祭、そして政治的な面ももつ「政(まつりごと)」といういわゆる「公私一体」となる会場のネーミングにピッタリだと思い、この愛称を付けた。
(最優秀作品受賞者 ハンドルネーム:ヤマダ 福岡県)
■施設概要
・約1万人を収容できる万博最大の屋外イベントの拠点
・中心には幾何学的な円形の人工芝エリアを有し、外側には竹を用いたベンチ付きのパーゴラを配置
・「世界に誇るデジタルコンテンツ文化発信の場」を目指し、ステージには、3面の大型映像装置等を設置
・敷地面積23,000㎡、収容人数約1万人規模

▽EXPO メッセ「WASSE」

■愛称コンセプト
「メッセ」の賑わいを表す「わいわい」や祭りの掛け声「わっしょい」、また世界(World)のイメージも重ねた造語。
(最優秀作品受賞者 ハンドルネーム:ひまりん 滋賀県)
■施設概要
・世界規模の課題の解決に向けた対話プログラムやビジネス交流の他、展示会、見本市の拠点
・出入口前には、柔らかな光を通すテントの庇(ひさし)を配し、来場者の溜まり場としてマイルドな空間を演出
・建築面積4,900㎡、収容人数約3,000人

選考委員 ※敬称略・五十音順

・アマンディーヌ (ボンソワールTV Bonsoir TV)
・橘 ケンチ   (株式会社LDH JAPAN)
・永山 祐子   (有限会社永山祐子建築設計)
・真鍋 英樹   (経済産業省 商務情報政策局 商務・サービスグループ 審議官(商務・サービス担当))
・渡部 顕    (独立行政法人 国際観光振興機構 市場横断プロモーション部 市場横断グループ 次長)

選考委員のコメント

5名の選考委員の内、アマンディーヌ氏、橘氏、永山氏の3名にはインタビューを行っております。選考に際しての思いやお考え、大阪・関西万博に期待することなどを熱く語っていただきました。インタビュー内容の詳細はこちらをご覧ください。

アマンディーヌ氏
●選考時に大切にした視点
年齢や国籍、障がいの有無に関わらず、すべての人にとってわかりやすく、名前を聞くだけでイメージが湧くような愛称を選びたいと考えた。4施設それぞれの建物が並んだときに一体感が生まれるかどうかも意識した。

●今回選考した施設で、どのようなイベントが開催されることを期待するか
音楽やお祭りは、言語が通じなくても参加・交流できるイベントだと思う。私が日本を好きになったのも、日本でたくさんの人と交流ができたから。国ごとの音楽ライブやお祭りに触れることができたら、その国のことをもっと知りたいという気持ちが湧き上がると思う。

橘 ケンチ氏
●選考時に大切にした視点
他の選考委員の皆さまと議論を重ねるうちに、「世界の中での日本」、「日本の中での大阪・関西」という視点や、「世界中の人に親しまれる名前」という視点など、選考基準は無数にあることがわかってきた。施設の見た目と愛称のフィット感は特に意識した。

●今回選考した施設で、どのようなイベントが開催されることを期待するか
これらの施設は、ビジュアル的にもすごくインパクトがある。こうした素晴らしい場所で、人々の心に響くような踊りや芝居、音楽などのイベントが開催されたら嬉しい。

永山 祐子氏
●選考時に大切にした視点
最終選考会では、せっかく大阪・関西で開催するのだから、「地域性を感じさせる愛称を選びたい」という議論も盛り上がり、こうした視点も選考するうえで大切にした。「建築物に合わないような愛称にはしたくない」と考えていたので、建築物のデザインや場所の特徴を十分に把握したうえで名前を決めていった。

●今回選考した施設で、どのようなイベントが開催されることを期待するか
世界各国のたくさんの人が、自分の国を代表してさまざまな催しを披露し、それぞれの国の表情や個性を知ることができる「ナショナルデー・スペシャルデー」や日本のお祭りなど、伝統的な祭事から新しい表現まで、さまざまなイベントが集結すれば、すごく満足度の高い万博になると信じている。

各施設の設計者および会場デザインプロデューサーのコメント


EXPOホール「シャインハット」設計者 伊東 豊雄氏
建物の外観の特徴をよく捉え、憶えやすく、分かりやすい愛称と共に、「シャインハット」(EXPOホール)が広い会場の中でランドマークとして認知され、多くの来場者に力強い印象と体験を与えられることを期待している。

EXPO ナショナルデーホール「レイガーデン」設計者 平田 晃久氏
古代から国際交流の拠点であった場所の海や大地との調和をセレブレートする建築の名として、素晴らしい愛称を選定いただき感謝申し上げる。「レイガーデン」が万博を通じ、世界の多くの人々が集い、名の通り光のエネルギーをまとった場となるよう、施設をつくり上げたい。

EXPO アリーナ「Matsuri」設計者 株式会社日建設計 一階 聡之氏
 世界規模の祭りでもある「万博」の中心的な施設となるように、この施設を創った。「和」の精神のもと洗練された合理性と、伝統的な材料である「竹」をあしらうことで空間を表現している。「Matsuri」という愛称は、この施設にこそ相応しいという印象。この愛称を通じて、日本の祭、文化、思想、習慣など多くの日本の誇れることが世界に、楽しいイメージとして伝わり、SDGsの実現の一助となることを願う。

EXPO メッセ「WASSE」設計者 安井・昭和・東畑設計共同体:株式会社東畑建築事務所 岡島 博明氏
愛称「WASSE」決定にお祝い申し上げる。EXPO メッセはこの施設で⾏われるすべての催し物がより魅⼒的なイベントになるようシンプルで機能的な計画とした。「WASSE」の名の通り、賑やかなお祭りとなることを祈念している。

藤本 壮介 会場デザインプロデューサー(全体コメント)
今回選ばれた4つの愛称は、どれも建物の佇まいやそこで開かれるイベントを明快に連想させるものに感じた。それらは日本らしさと、世界中の人たちにも伝わるであろう響きを兼ね備えた愛称であると言える。会場を訪れる世界中の人たちが、思わず口にしたくなるような馴染み深い愛称となり、この愛称をきっかけに建物やイベントをもっと楽しんでもらえると嬉しい。

(ご参考)
【プレスリリース】
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の催事施設の愛称を公募
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20231129-04/