
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)においてSociety5.0(※)の実現に向け推進してきたデータ利活用の取り組みを、2025年12月2日、3日に情報処理学会の共同研究発表会にて報告しました。
また、本データ利活用の取り組みが、日本リスク学会においてグッドプラクティス賞を受賞し、2025年11月8日に受賞講演を行いました。
※Society5.0:サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会
▽学会報告および受賞講演の概要
①情報処理学会 研究発表会
開催日:2025年12月2日(火)、3日(水)
概要:第110回電子化知的財産・社会基盤・第61回セキュリティ心理学とトラスト・第111回コンピュータセキュリティ合同研究発表会
会場:新潟大学駅南キャンパスときめいと
発表:大阪・関西万博におけるデータ利活用マネジメント
~データの利用とプライバシー保護を両立するVPIAの策定と実践~
発表者:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会ICT局 大嵩 豪朗
URL:https://www.ipsj.or.jp/kenkyukai/event/eip110spt61csec111.html
②日本リスク学会 講演および表彰式
開催日:2025年11月8日(土)
概要:「2025大阪・関西万博におけるデータ利活用の取組とVPIAの実施」受賞講演
会場:大阪大学吹田キャンパス
受賞内容:グッドプラクティス賞
受賞者:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会ICT局
活動名:「2025大阪・関西万博におけるデータ利活用の取組とVPIAの実施」
URL:https://www.sra-japan.jp/cms/srajaward2025/
▽活動の背景
大阪・関西万博では、万博会場を2030年までに達成を目指すSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みを加速するプラットフォームとして位置づけ、Society5.0(サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会)の実現にむけたIoT、AI、ビッグデータといった先端技術の活用を推進してきました。
Society5.0実現にあたっては、信頼性あるデータ流通環境の整備やセキュリティやプライバシーの確保、公正なルールの整備の必要性が訴えられているものの、確固たる進め方はまだない状況です。そこで、当協会は、2022年3月4日に「データ利活用有識者会議」を設置し、大阪・関西万博におけるデータ利活用について議論を重ね、具体的な方策を検討しデータ利活用施策を展開してきました。
これら施策実施の成果は、自治体や民間企業により進められるスマートシティなどで活用できる重要なノウハウであるという認識のもと、データ活用を推進していきます。
▽大阪・関西万博におけるデータ利活用の取り組みについて
本取り組みは、大阪・関西万博の基本計画に基づき、データ利活用有識者会議での検討を経て施策を実施したものです。本施策の実施にあたり策定したガイドライン等は以下の通りです。
・データ利活用ガイドライン(英語)(PDFファイル:1MB)
・データ利活用ガイドライン(日本語)(PDFファイル:2MB)
・VPIA報告書フォーマット(Excelファイル:899KB)
・VPIA実施の手引き(PDFファイル:3MB)
・大阪・関西万博におけるデータ利活用マネジメント(研究会発表論文)(PDFファイル:1MB)
・データ利活用コミュニケーションサイト(アーカイブサイト)
https://www.expo2025.or.jp/expo-archive/comm-data-utilisation/
▽データ利活用有識者会議について
本会議は、当協会が本取り組みの推進に関する具体的な方策の検討にあたり、専門的な立場から助言を受けるために設置したものです。データ利活用ガイドラインや5原則「TRUST」は、有識者の皆様と検討の上、策定しております。
(有識者一覧・五十音順・敬称略)
岸本 充生(大阪大学 社会技術共創研究センター センター長・教授)
越塚 登(東京大学大学院情報学環・教授)
下條 真司(青森大学 ソフトウェア情報学部・教授 大阪大学・名誉教授)
高柳 大輔(IPA独立行政法人情報処理推進機構セキュリティセンター長)
宮田 裕章(大阪・関西万博 テーマ事業プロデューサー データ利活用有識者会議・座長)
山本 龍彦(慶應義塾大学大学院法務研究科・教授)
(会議開催履歴)
当協会は、大阪・関西万博におけるデータ利活用の具体的な方策の検討にあたり、データ利活用有識者会議を全10回にわたり開催しました。
| 実施回 | 実施日 | 主な議題 |
| 第1回 | 2022年3月9日 | ・データ利活用に伴う規定適用範囲 ・データ保護影響評価(DPIA/PIA)の実施及び運用案 ・データ利活用が促進された万博サービスのイメージ ・外部と同調した進め方 |
| 第2回 | 2022年5月16日 | ・大阪・関西万博でのデータ利活用の取り組み・方向性整理 ・PIA実施の方向性と具体案 ・市民参加の施策案 ・企業参画に向けたアプローチ |
| 第3回 | 2022年8月31日 | ・データ利活用ガイドラインの公開 ・PIA実施案について ・一般市民参加方法案について |
| 第4回 | 2022年12月15日 | ・VPIA内容の方向性 ・第三者評価の実施の方向性 |
| 第5回 | 2023年3月10日 | ・第三者委員会調整状況 ・データカタログサイトとユースケース |
| 第6回 | 2023年7月21日 | ・VPIAコミュニティ立ち上げ状況とVPIA改善方針 ・データ利活用ポータルにおける発信内容 ・データ利活用ガイドライン/マニュアルの制定 |
| 第7回 | 2024年5月17日 | ・データ利活用ガイドライン/マニュアルと参加申請状況 ・データ利活用ポータル・動画制作状況 ・データ加工・分析業務の内容 |
| 第8回 | 2024年11月20日 | ・データ利活用申請の進捗 ・外部公表とVPIA実施状況 ・データ見える化施策の進捗と進め方 |
| 第9回 | 2025年5月23日 | ・データ連携サービスの状況 ・テーマウィークの進め方 |
| 第10回 | 2025年11月26日 | ・大阪・関西万博の実施結果と傾向分析 ・データ利活用施策の実施結果 ・レガシー施策の取り組み状況 |
ご参考
▽プレスリリース
・2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)におけるデータ利活用の取り組みの実施について~データ利活用の取り組みを発信するWebサイトを開設~
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20240920-02/
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