プレスリリース

2023.03.07 運営参加特別プログラム「Co-Design Challenge」開始

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の運営参加特別プログラムとして「①万博を機会として、新しい「何か」をつくること」「②共創の取組であること」「③デザイン視点で取り組むこと」「④大資本でなくても取り組めること」を特徴とした「Co-Design Challenge」への提案募集をしていました。この度、選定事業者及び選定事業を公表するとともに、大阪・関西万博会場での実装に向けて本プログラムを開始しますので、以下のとおりお知らせします。
選定事業については、今後、当協会が設置したデザイン視点から大阪・関西万博で実装すべき未来社会の姿を検討した委員会「Expo Outcome Design Committee」のメンバーの方々にアドバイザーとしてご協力いただき開発を進め、大阪・関西万博での実装を目指します。

選定事業者及び選定事業について(代表企業50音順)

「Co-Design Challenge」プログラムは、2022年7月26日から9月16日まで提案募集を実施しました。
58の企業・団体から計79件の提案があり、選定委員会にて12件を選定いたしました。(下線は中小企業)

■①想うベンチ ー いのちの循環 ー
代表企業・団体:エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社(大阪府大阪市)
協力企業・団体:一般財団法人大阪府みどり公社、株式会社スークカンパニー

■②これからの「未利用間伐材を活用したベンチ」
代表企業・団体:エースジャパン株式会社(京都府相楽郡)
協力企業・団体:ダブルクラッチ株式会社、株式会社Fortmarei

■③ー 廃棄繊維を色で分けてアップサイクル ー
サーキュラーエコノミーに繋がるこれからの“ベンチ”をデザインする
代表企業・団体:株式会社colourloop(京都市下京区)
協力企業・団体:株式会社アボード、ナカノ株式会社

■④ごみから作るサステナブルなヘルメット
代表企業・団体:甲子化学工業株式会社(大阪府大阪市)

■⑤国産材、地域材活用のための木製ベンチ
代表企業・団体:コクヨ株式会社(大阪府大阪市)
協力企業・団体:VUILD株式会社

■⑥これからのマイボトルの使い方をデザインする マイボトルで飲料提供するための洗浄機の提案
代表企業・団体:象印マホービン株式会社(大阪府大阪市)
協力企業・団体:株式会社中農製作所

■⑦サーキュラーバイオトイレで世界中の新しい水をデザインする
代表企業・団体:株式会社W TOKYO(東京都渋谷区)

■⑧これからのゴミ箱(資源回収箱)をデザインする
代表企業・団体:テラサイクルジャパン合同会社(神奈川県横浜市)
協力企業・団体:イオン株式会社

■⑨サスティナブルストックプラン(持続可能な防災備蓄計画と多様な連携による防災備蓄食の廃棄ゼロへ)
代表企業・団体:公益社団法人日本非常食推進機構(三重県四日市市)
協力企業・団体:尾西食品株式会社、特定非営利活動法人日本セルプセンター、株式会社プラザオーサカ

■⑩資源循環に貢献したくなるスマート回収箱とスマートフォンアプリ
代表企業・団体:日立造船株式会社(大阪府大阪市)
協力企業・団体:大栄環境株式会社、株式会社大栄環境総研

■⑪循環型食器「edish」
代表企業・団体:丸紅株式会社(東京都千代田区)
協力企業・団体:プラス産業株式会社

■⑫持続可能である木の暮らし、その循環の中に存在する、吉野材のベンチ
代表企業・団体:一般社団法人吉野と暮らす会(奈良県吉野郡)
協力企業・団体:有限会社グリーンフォレストエンタープライズ、株式会社丸商店、一般社団法人夢洲新産業・都市創造機構、吉野中央木材株式会社

※選定事業者及び各選定事業の概要については、以下の資料をご参考ください。
「Co-Design Challrenge」プログラム選定事業者・選定事業概要について
https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/uploads/0307_siryou.pdf

※各事業の万博会場への具体的な実装については、引き続き協議中です。
また、今後の協議により事業内容が変更となる場合があります。

「Co-Design Challenge」選定委員会
■選定委員(敬称略・50音順)
石川 勝 (大阪・関西万博 会場運営プロデューサー)
倉本 仁 (株式会社ジンクラモトスタジオ 代表取締役)
小橋 賢児 (大阪・関西万博 催事企画プロデューサー)
齋藤 精一 (大阪・関西万博 EXPO共創プログラムディレクター)
柴田 文江 (有限会社デザインスタジオエス 代表)
服部 滋樹 (有限会社デコラティブモードナンバースリー 代表取締役)
藤本 壮介 (大阪・関西万博 会場デザインプロデューサー)

選定委員コメント

①想うベンチ ー いのちの循環 ー
服部 滋樹 委員 
こちらの提案は、大阪近郊の森林群を活用しグリーンマイレージを経て、現地に設置するといったショートサイクルサプライチェーンに取り組む他、ベンチに木材産地の人や自然の魅力・名物等の情報をリンクさせたQRコードを埋め込むことで、生産の経緯や産業・名物の情報を抽出できるという点が他にはなく魅力的でした。このシステムの波及も期待します。

②これからの「未利用間伐材を活用したベンチ」
藤本 壮介 委員
間伐材を使ってベンチを作ることは会場デザインとしても積極的に取り入れていきたいと思っているところ、こちらの提案は、万博全体で抱えている理念、これからの未来の標準に対する姿勢が評価できました。また、それを通じて提案されている物のデザイン性が高く、万博会場の景観や機能性に高く貢献いただけると期待しています。

③ー 廃棄繊維を色で分けてアップサイクル ー
サーキュラーエコノミーに繋がるこれからの“ベンチ”をデザインする
倉本 仁 委員
社会的課題である廃棄繊維を、美しい材料にリサイクル・アップサイクルしている点が魅力的だと感じました。また、繊維リサイクルの新たな可能性を提案できる点も高く評価しました。若手デザイナーとの協業も期待しています。

④ごみから作るサステナブルなヘルメット
小橋 賢児 委員
自然環境の循環の中で「人の命を守るもの」が作られる取り組みであり、デザイン・アイデア・ネーミングがとてもユニークで目を引きました。大量に捨てられるものから新たなものを生み出す考え方や着目点が面白いと感じ、評価しました。

⑤国産材、地域材活用のための木製ベンチ
柴田 文江 委員
万博後に街が変わる様子がイメージできます。
こちらの提案はこれまで使われてこなかった曲がった木材等を集めてベンチを作ることや、その取組みが目に見えて世間にも伝わりやすく魅力的に感じました。

⑥これからのマイボトルの使い方をデザインする マイボトルで飲料提供するための洗浄機の提案
石川 勝 委員
マイボトルを機械で合理的に洗浄し除菌までしてくれる装置が世の中にあると便利だと思います。また、給排水の整備されていない場所での使用も可能となれば、フェス等の屋外イベントでの活用も期待でき、評価しました。

⑦サーキュラーバイオトイレで世界中の新しい水をデザインする
小橋 賢児 委員
人間が生きる上で必要不可欠かつ重要な「水」問題の新たな循環をつくることができるのではないかと希望を感じ、評価しました。飲料可能なレベルまで再生が出来たら世界中の水問題、衛生問題の解消に繋がり、サステナビリティの観点でも魅力的だと思いました。

⑧これからのゴミ箱(資源回収箱)をデザインする
齋藤 精一 委員
万博後に街が変わった/分別方法が変わった、ということが重要な視点であると思っています。こちらの提案は、会期前から会場外において市民を巻き込んだ取組を行い、リサイクル原料を使用しゴミ箱を製造する、というプロセスが魅力的でした。

⑨サスティナブルストックプラン(持続可能な防災備蓄計画と多様な連携による防災備蓄食の廃棄ゼロへ)
石川 勝 委員
防災備蓄食は賞味期限が来ると廃棄されることが多くフードロスに繋がっています。こちらの提案は、防災備蓄食の廃棄を防ぎ、障がい者雇用にも貢献する社会モデルであり、大阪・関西万博を機に普及浸透が期待されるため、評価しました。

⑩資源循環に貢献したくなるスマート回収箱とスマートフォンアプリ
石川 勝 委員
ごみ箱のごみ量を管理者がリアルタイムで把握し、ごみの回収回数の削減を実現できれば、かなりの作業省力化が期待できるため、未来社会の実験場である大阪・関西万博において、これを実証的に行い、世の中に普及してほしいという想いで評価しました。

⑪循環型食器「edish」
藤本 壮介 委員
食を通じた「日本ならではの万博」に貢献いただける提案だと思いました。また、環境に配慮したコンセプトのリアリティ、及び、それを通じて制作されるデザイン性の優れたプロダクトとして評価しました。

⑫持続可能である木の暮らし、その循環の中に存在する、吉野材のベンチ
齋藤 精一 委員
本提案は、乾燥・伐採・再造林まで、地域でまわしていくというところが一つの特徴。地域でのサーキュラーな考え方の実装は、今後の林業とクラフトの地域事例として、全国展開していくべき良い取組みだと思い評価しました。プロダクトだけではなくその取組・プロセス自体も重視しました。

ご参考

■プレスリリース
・デザイン視点から大阪・関西万博で実装すべき未来社会の姿を検討する「Expo Outcome Design Committee」を設置
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20211202-02/

・Expo Outcome Design Committeeの「EODCレポート」を公開
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20220725-01/

・2025年日本国際博覧会 運営参加(第2回)及び「 Co-Design Challenge」プログラムへの提案募集を開始
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20220726-05/