【日本館・前編】「はじまり」も「おわり」もないパビリオン「日本館」の魅力とは?

皆さんは、日本館といえば何を思い浮べますか?
木の板が立ち並ぶ円環形の建物? 火星の石? 名誉館長の藤原紀香さん?
まだまだあります、日本館の魅力!そこで、今回の万博公式ブログは日本館を深堀りしてみました。記事内の楽しみ方のコツもチェックして、ぜひ日本館へ足を運んでください♪

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まわる。めぐる。いのちを感じる。
日本館で「循環」を体験しよう!

今回の万博で最大級の広さを誇る日本館。野球場のグラウンドがすっぽり収まるほど広大な敷地(約12,950㎡)内に当館のテーマである「いのちと、いのちの、あいだに」が散りばめられています。

生きとし生けるもの、人間により生み出されたもの・システムにもみんな、いのちが宿っています。それぞれが役目を終える瞬間に何かへ受け継がれ、カタチを変えながら新たな役目を得る…、このような「いのちの循環」に着目したのが日本館です。館内外では、来館者一人ひとりも「循環」の一部。観覧を通じて、自分がさまざまないのちの営みにリンクしていることに気づかされます。

建築でひと際目を惹くのが木の板。間伐材からつくられたCLT(直行集成板)という資材で、内壁や外壁に280組560枚も使われています。それらを斜めに円環状に並べることで、「いのちのリレー」や「いのちの循環」を体現。閉幕後は再利用を予定されているため、できるだけ傷つけず、解体がしやすいよう用いられているのだとか。

板と板の間にある隙間。館内・外から人の気配や音・光が感じられる効果が。
パビリオン外周に置かれたベンチもCLT製。国産杉のぬくもりが心地よい!

3つのエリアがひとつの大きな円を描く日本館。最新技術や宇宙の神秘、日本が培った文化の再発見など「温故知新」がギュッと詰まった館内の見どころをピックアップしました。

パビリオンの外周には、フロアマップが点在。
各エリアの入口で来館者を迎える「砂時計」は、3者3様のいのちの時間を刻みます。

■「ごみ」から「水」へ。Plant Area(プラントエリア)

このエリアで注目したいのは、「微生物」の働き。
万博会場から集められた「生ごみ」が「捨てられるもの」「最終形」ではないことを、人気のクマ型フィギュアBE@RBRICK(以下、ベアブリック)を通じて表現しています。
日本館に併設されたバイオガスプラントによって、ごみが水やエネルギーに生まれ変わる過程に触れた後は、日本館の中心に位置する「水盤」と対面。さらには、世界最大級の「火星の石」が待ち受けています。エリアの出口で配布している「火星の石」観覧証明カード※は、来館記念にぜひ!
※カードはなくなり次第、配布終了。

ベルトコンベア上のごみに注目。あのキャラクターの姿も!

ベアブリックが扮しているのは、生ごみが微生物のチカラで生まれ変わった物質です。
ごみから生まれた水をたたえた「水盤」。ライトアップされた日没後の風景もステキです。
貴重な「火星の石」の触り心地を確かめてみて!
「火星の石」観覧証明カードは、すべてのカードにシリアルナンバー入り。時期によってカードのデザインは異なります。

■「水」から「素材」へ。Farm Area(ファームエリア)

現代社会がかかえる、化石資源への適度な依存や食料不足。これらの課題を解決できるかもしれない存在として「藻類」に注目。
多岐にわたる藻類の可能性に、ググッと迫る展示が揃います。さらには、巷で話題になっている藻類に扮したハローキティも必見!32種類のキティちゃんがワカメやヒジキなど食卓でおなじみの海藻のほか、顕微鏡でしか見ることのできない種類にもかわいく変身。お気に入りキティちゃんを見つけることで、藻類がグッと身近に感じられそう♪

水槽では「石油をつくる藻類」ともいわれる、ボツリオコッカスを育成中。
スピルリナを育成する「フォトバイオリアクター」。
自然界に存在する30万種以上の藻類の中から、32種類が展示。
藻類のユニークな特徴を表現しつつも、かわいさはそのまま!
牛肉と藻類を比べてみたら…。難しそうな統計も50頭の牛を並べて分かりやすく。
おみやげのフリーズドライの味噌汁。観覧後もあなたの体内で「循環」の旅は続く。※1日あたりの配布数に限りがあります。

■「素材」から「もの」へ。Factory Area(ファクトリーエリア)

こちらのテーマは「もの」や「ものづくり」。
エリア内を進むと、「やわらかく」つくることに注力してきた、日本の「ものづくり」のコーナーが。日本が誇るアニメキャラクター ドラえもんが、時にはユーモアいっぱいに、時にはゆる~くナビゲートしてくれます。大切に使うために受け継がれてきた手法、「もったいない」精神を感じられる展示から、持続可能な社会へのヒントが見つかるかも!?
また、珪藻土のキャンバスに水が描き出す、“はかなすぎる”アートもお見逃しなく!

3Dプリンターでスツールがつくられる様子を表現。
つくられたスツールは、藻類を混ぜ込んだバイオプラスチックでつくられています。
日本の竹かごから着想した、サッカーボール。
やわらかくつくる例の一つとして、東京スカイツリーを紹介。
「焼杉」には、のんびりモードのドラえもんが。

日本館のあれもこれも、次へと生かすための工夫が!
はかなくて、美しい「一期一会」のアート。

日本館といえば、「ごみを食べる日本館」「生きたパビリオン」とも呼ばれています。その所以は「バイオガスプラント」にあります。万博会場内から収集された生ごみを微生物のチカラで分解し、「水盤」の水やバイオガスへと変換。このバイオガスを使って発電し、発電した電気は日本館の電力の一部として活用されているのです。
通常は公開されていない「バイオガスプラント」ですが、見学ツアー※があることをご存じですか?プラント設計者のガイドを聞きながら、装置を間近で見ることができるチャンスをお見逃しなく!
※ツアー参加には、入場チケット購入と予約サイトにて事前予約が必要。空き状況は予約サイトにてご確認ください。

⇨バイオガスプラントツアーの詳細はこちら

日本館に併設されているプラントの最大処理能力は、1日あたり1t!ここでバイオガス電力を生み出します。

日本館をもっと楽しむためには?

日本館公式サイトは、情報たっぷり!来館前にのぞいておけば、展示を前にした時の理解度が増すことでしょう。また観覧後なら、展示内容を振り返りながら追想することもできます。
・「日本館まるごとガイド」では展示内容を支える技術や、込められた想いに触れられます。
・ 日本館公式Webマガジン「月刊日本館」は計12冊発行。日本館のテーマを深く堀り下げる記事を読めば、展示に対する見方が変わるかも。
・日本館総合プロデューサー、佐藤オオキさんが発信する「コンニチハ!日本館」。開館準備中の裏話や開幕後の想いを、ユーモアたっぷりにつづっています。

⇨「日本館まるごとガイド」はこちら
⇨「月刊日本館」はこちら
⇨「コンニチハ!日本館」はこちら

見どころたっぷりの日本館を楽しむには、音声ガイドの利用がオススメです。

・来館時には、スマホとイヤフォンまたはヘッドフォンを持参。
・パビリオン内外に設置している二次元コードから「音声ガイド」にアクセス(館内専用Wi-Fiも利用可)。
・音声ガイドの内容は、音声ガイドに併載のテキストでも楽しめます。

展示に添えられた、コンパクトながらもインパクトある“ことば”たち。時にはダジャレも交えながら、来館者に寄り添うように語りかけてくれます。

・展示だけでなく、トイレやスツールの足元にあるメッセージも要チェック!

思わず口にしてしまいそうな、ダジャレ調キャッチコピー。

こんなところに、スツールからのメッセージが!

各フロアで来館客を迎えるのは、着物の構造をもとにつくられたユニフォームをまとったアテンダントたち。館内のお出迎え、お見送りのほか、予習ツアーの案内役もつとめるなど、フレンドリーな日本館流おもてなしを体感しましょう!

・アテンダントとのコミュニケーションを楽しみましょう。
・「日本の美意識を纏う(まとう)」を体現したユニフォームにも注目です。

随時開催されているツアーに参加すると、展示内容の理解が深まります。「設計者とまわる日本館建築ツアー」に参加できるチケットは完売しましたが、前述の「バイオガスプラント」見学ツアーや、アテンダントとともに日本館の外周をめぐり、日本館の予備知識を学ぶ「予習ツアー」は参加可能です※。
※2025年8月中旬現在

・予習ツアーに参加するには、当日開場直後から日本館前で配布する参加券をGETしましょう。

⇨予習ツアーの詳細はこちら

生きること、「循環」することのすばらしさ、尊さに満ちあふれている日本館。連日の盛況ぶりから、会期後半もその人気は絶えないことでしょう。興味を持った人や再びあの感動を味わいたい人は、早めの事前予約、事前予約なし時間帯※を活用して来館がオススメです。
※9:25~、19:00~。定員になり次第終了

【日本館・後編】では日本館の総合プロデューサー、佐藤オオキさんが登場!
世界を股にかけて活動するオオキさんにとっての「循環」とは?日本とは?
日本館のまた違った魅力が見えてくるインタビュー記事も、お楽しみに!

⇨日本館 公式サイトはこちら