公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、21年1月より「未来社会における環境エネルギー検討委員会」を設置し、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で発信する未来社会における環境エネルギーの姿や、本万博において実証・実装を進める技術分野について検討を行っています。
3月24日に開催した第5回検討委員会では、万博会場全体のエネルギーフロー図の作成状況について、協会事務局から説明しました。委員からは、エネルギーフロー図を作成する上での考え方などについて、幅広いご意見をいただきました。
さらに、カーボンニュートラル実現に貢献する個別技術として、洋上風力発電や、バイオマスを利活用した資源循環、 DERMS(※1) などについて、関連企業・団体からの説明を踏まえた議論を行いました。
今後も引き続き、2025年より先の未来を感じさせる次世代技術の実証、2025年の万博にふさわしい先端技術の実装の実現を目指して検討を進めていきます。
※1 DERMS(Distributed Energy Resource Management System)とは、 太陽光発電、風力、蓄電池、需要家側設備などの分散型エネルギー源(DER)を統合的に管理・制御するシステムのこと。
日時
2021年3月24日(水)10:00~12:00
場所
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 道修町オフィス(大阪市中央区道修町3-4-10)及びオンライン会議
出席委員(座長以下、五十音順・敬称略)
座長 下田 吉之 (しもだ よしゆき) 大阪大学大学院工学研究科環境エネルギー工学専攻教授
委員 秋元 圭吾 (あきもと けいご) 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 システム研究グループ グループリーダー・主席研究員
委員 岩船 由美子(いわふね ゆみこ) 東京大学生産技術研究所特任教授
委員 竹内 純子 (たけうち すみこ) U3イノベーションズ合同会社代表
内容
■委員から示された主なご意見
- CO2フリーの電力を使用するだけでなく、来場者へのアピールも含めてカーボンニュートラルの実験場というテーマをどう実現するかが重要である。大規模にエネルギーフローへインパクトを与える技術を実証・実装する検討と、エネルギーフローへの影響はそれほど大きくはないが、来場者に2050年を感じさせる技術の検討という2本立てで報告書をまとめていくのがよいのではないか。
- クレジット制度(※2)を利用して辻褄を合わせることは、あえてすべきではないのではないか。万博の意義は、技術の限界も含めて、技術の実態を見せるというところだと思う。万博会場にだけお金をかけて、綺麗な絵を描き、来場者に見せることは意味がないのではないか。「ここまでやったが、現実はこうでした」と正直に見せる方がむしろ重要な共通認識の醸成になり、良いのではないか。
※2 クレジット制度とは、省エネルギー機器の導入や森林管理などの取り組みによる、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を売買可能な「クレジット」として国が認証する制度。 - 資源循環にあたっては、ごみの分別の重要性や、様々な文化・風習を考慮しないと技術が伝播していかない点も、来場者に理解していただくことが重要だと思う。
- 来場者がエネルギーを体感できるようなサービスを提供しながら、低エネルギーで低炭素、脱炭素に近い会場を作っていけるかが、本委員会での検討における大きなテーマだと思う。
参考
「未来社会における環境エネルギー検討委員会設置及び開催要綱」(2020年12月14日時点)
関連リンク
(プレスリリース)「未来社会における環境エネルギー検討委員会」を設置
(活動報告)第1回未来社会における環境エネルギー検討委員会を開催
(活動報告)第2回未来社会における環境エネルギー検討委員会を開催
(活動報告)第3回未来社会における環境エネルギー検討委員会を開催
(活動報告)第4回未来社会における環境エネルギー検討委員会を開催
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